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久米島モデル

久米島モデル

海から生まれる島の未来

久米島モデルは、島嶼地域におけるGX(グリーントランスフォーメーション)を統合的に推進する先進的な実証事例の一つとして、国際的に注目されています。本モデルは、久米島町および地域の民間企業、住民、関係者の長年にわたる主体的な取り組みを基盤として、国および地方自治体、大学・研究機関、国内外の産業界など、多様なパートナーとの協力と連携のもとで発展してきました。


特に、地域資源である海洋深層水の活用を契機として、エネルギー、水、食料、環境、産業の各分野を相互に関連付けながら、島の持続可能性と自立性を高める統合的なGXシステムの形成が段階的に進められてきました。このプロセスは、地域の主体的な挑戦と、外部機関との継続的な協働によって支えられてきた点に大きな特徴があります。


こうした取り組みにより、久米島は、学術研究と実社会での実装が相互に作用しながら発展する実証フィールドとして、国内外の研究者や政策関係者、産業界から関心を集めています。現在では、島嶼地域におけるGXの可能性を探求し、エネルギーのレジリエンス向上、地域産業の創出、環境との調和を目指す取り組みを検証する場として、重要な役割を果たしています。


久米島モデルは、特定の解決策を示すものではなく、島嶼地域の多様な条件や課題を踏まえながら、それぞれの地域に適したGXのあり方を共に探求していくための参考事例の一つとして期待されています。


今後も、地域の主体的な取り組みを基盤としながら、国内外の大学、研究機関、国際機関、政府機関、産業界との連携を通じて、島嶼地域の持続可能でレジリエントな未来の共創に貢献することが期待されています。

KUMEJIMA MODEL
久米島モデルの中核:

海洋温度差発電(OTEC)

久米島モデルの中核を担う基盤技術の一つが、海洋温度差発電(Ocean Thermal Energy Conversion: OTEC)です。OTECは、島嶼地域における持続可能かつ自立的なエネルギー供給を可能にする、革新的な再生可能エネルギー技術として国際的に注目されています。

発電の原理(仕組み)

OTECは、海洋表層に存在する温暖な海水と、水深数百メートル以深に存在する低温の海洋深層水との温度差を利用して発電を行います。この温度差を利用して作動流体を蒸発・凝縮させ、その過程でタービンを回転させることにより、安定した電力を生成します。

島嶼地域における戦略的意義

OTECの最も重要な特長は、太陽光や風力と異なり、昼夜や天候に左右されることなく、24時間連続して安定的に電力を供給できる点にあります。この特性により、OTECは島嶼地域におけるエネルギーセキュリティの向上と、持続可能なGX(グリーントランスフォーメーション)を支える基幹技術として期待されています。

さらに、OTECで利用される海洋深層水は、エネルギー供給のみならず、水資源、食料生産、環境保全、産業振興など、多様な分野と統合された循環型社会の基盤を形成する重要な自然資源でもあります。

海洋深層水の統合的多段階利用
(カスケード利用)

久米島モデルの最も特徴的な要素の一つは、海洋温度差発電(OTEC)で利用された海洋深層水を単一用途で終わらせるのではなく、その物理的・化学的特性を最大限に活かし、複数の分野において統合的かつ段階的に活用する「カスケード利用」システムを構築している点にあります。

OTECで利用された海洋深層水は、依然として低温(約10~15℃)、高い清浄性、豊富な栄養塩、そして安定した水質という優れた特性を保持しています。これらの特性を活かすことで、エネルギー利用にとどまらず、水産、農業、環境、健康、産業など多様な分野における持続可能な価値創出を可能にしています。

水産分野:
高付加価値型養殖の実現

海洋深層水の低温性と清浄性は、微生物負荷の低い安定した養殖環境を提供します。これにより、海ブドウ、クルマエビ、カキなどの高付加価値水産物の安定的かつ持続可能な生産が可能となっています。

農業分野:
環境制御型農業の高度化

海洋深層水の冷却特性を活用し、地中冷却や温度制御を行うことで、亜熱帯環境下においても温度に敏感な作物の生産が可能となります。これにより、従来の気候制約を超えた新たな農業生産システムが実現されています。

健康・産業分野:
高機能資源としての活用

海洋深層水は豊富なミネラルを含み、極めて高い清浄性を有することから、機能性食品、久米島の原料を利用した化粧品、健康関連製品などの高付加価値産業の基盤資源として活用されています。

世界へ広がる久米島モデルの力

久米島において蓄積されてきた統合的GX(グリーントランスフォーメーション)に関する知見と実践は、現在、太平洋およびカリブ海、インド洋地域をはじめとする島嶼国・島嶼地域において関心を集めています。パラオやナウルをはじめとする島嶼国において、地域特性に適応した持続可能なエネルギー・水・産業システムの構築に向けた参考事例の一つとして紹介されています。

また、久米島モデルは、国連工業開発機関(UNIDO)、気候技術センター・ネットワーク(CTCN)、国際エネルギー機関(IEA)、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)などの国際機関において、島嶼地域における持続可能なGXモデルの有望な実践事例の一つとして紹介されており、エネルギー転換、気候レジリエンス、持続可能な開発に関する国際的な研究および政策対話の中で注目されています。

環境と調和した持続可能なエネルギー利用

久米島モデルでは、自然環境と調和した持続可能なエネルギー資源の活用を基盤とし、外部の化石燃料への依存を低減しながら、島嶼地域におけるエネルギー自立性およびレジリエンスの向上を目指しています。

エネルギーと水資源の統合:淡水化への応用

海洋温度差発電(OTEC)によって得られた電力を活用する海水淡水化の実証研究が久米島で進められています。この統合的アプローチは、水資源制約に直面する島嶼地域において、持続可能な水供給システムの構築に貢献する可能性を有しています。

持続可能な地域産業の創出

久米島モデルは、地域資源を基盤とした新たな産業の創出を促進し、地域経済の多様化および雇用機会の創出に貢献しています。これらの取り組みは、島嶼地域における長期的な社会・経済レジリエンスの強化に寄与することが期待されています。

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国際島嶼GXモデル・アカデミック・サミット事務局

佐賀大学 海洋エネルギー研究所

Photo Credit: Aso Harunari

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